俺の人生を小説にした2 考察
閲覧注意!今なら引き返せる!
本題
今日は
の考察です。
舞台
前回と同じ兄妹の話である。そのことは
玄関のポストを改造して設置した募金箱
ということから明らかである。
……すまんがこれ以上考察することがないが……?
ということなので前回言っていた「らくあ氏の妹集合に位相群の構造が入る」ことについての説明をしていこうと思います。
群とは
Gが群であるとは、Gに含まれる任意の元a,b,cと演算×について以下が成立することである。
a×b∈G (演算について閉じている)
1∈G であり、a×1=1×a=a (単位元の存在)
a×d=1を満たすdが存在 (逆元の存在)
(ab)c=a(bc) (結合法則)
具体例として、整数は+を演算とする群だということは簡単にわかるだろう。
位相について説明する前に連続関数について考察を深めよう。
イプシロン-デルタ論法については大学初年度ですぐ習うだろうから省く。知らないならば以下を参照。
この論法において、関数fと点aについて
0<|x-a|<ε
0<|f(x)-b|<δ
と考えているわけだ。これらはまさしく開集合である。bまわりの開集合と取ったとき、どのような開集合を取ったとしてもそこに含まれるf(x)の「x」を取り出したとき、xを含むようなa周辺の開集合が取れることとなる。こうして連続関数は以下のように定義付けることが可能だ。
fの逆関数をg、Oを開集合とする。
任意のOについて集合g(O)={x | f(x)∈O}を含む開集合O'が存在する。
この辺りは『数学ガール ポアンカレ予想』に詳しいため参照してほしい。というかそこを読んでこの後を読むことを推奨する。
開集合の定義等は
を参照。
さて位相群の定義に移ろう。
a,b∈Gについて
G×G→G:a×b→ab が連続写像となる。
G→G:a→a-1 が連続写像となる。
と定義される。
具体的な例として実数全体の集合の和についての群が挙げられる。
実数同士の足し算は連続であるし、逆数を取る操作も連続というのは明らかである。
さて、らくあ氏の妹集合LSを定義しよう。その前にらくあ氏の妹としてありえる人物全体の集合をLと定める。「俺の人生を小説にしてみた」に現れる妹をs1とすると明らかにs1∈Lだ。
LS={S | S ⊂︎ L}
と定める。すなわちらくあ氏の妹全体の集合の部分集合全体ということだ。
各要素はある並行世界でのらくあ氏の妹たちを表しており、当然妹がいない、すなわち空集合、も含まれる。
ここに入る演算+を道理に従って考えてみよう。やはり二つの可能
性の和はそのまま足すべきだ。つまり{a,b,c}+{d,e,f}={a,b,c,d,e,f}となるべきなのだ。さて、ここで{a,b}+{a,c}はどうすべきか、という疑問が生じる。同じ妹が2人いることは明らかにありえない(双子以上の意味であることに注意)。やはり、同じ世界に同じ人間が2人いると世界が崩壊するので、このとき妹aの存在は世界によって打ち消される。故に、{a,b}+{a,c}={b,c}とすべきである。
こうして演算+を以下のように定めるのがよいと分かる。
S1,S2∈LSについて
S1+S2={a|a∈(S1US2)\(S1⋂︎S2)}
なお、ここで集合A\BとはAのなかでもBを除いた部分集合写真としている。
これよりLSに含まれる任意の元SについてS+S=∅︎となる。つまり任意の元Sの位数は2となる。今、妹全体の集合Lの元の数をnとおくと、S∈LSは各要素がZ/2Zとなっているn次元ベクトル空間の要素とみなせる。すなわち、LSは(Z/2Z)nと同型だと言える。
次に位相を入れることを考えよう。
まず、LSの部分集合V(S)を以下のように定める。
V(S) = {A | A∈LS,S⊂︎A (ただしS∈LS)}
LSの部分集合に対して、以下のようにして開集合を定める。
O⊂︎LSが開集合 ⇔ あるS∈LSを用いて、O=LS\V(S) と書ける。
これはV(S)を閉集合としてとっていると言うことと同じである。
このようにして位相を導入したLSが位相群となるのは明らかである。ゆえに証明は読者の演習問題とする。そのうちやるかもしれない。